【海自】 “あきづき” 型護衛艦は保守的なのか?【not アイマス】
ハイ、と言う訳でまた軍事物です。
結構GAには軍事クラスタ居るんだから、他にも誰か書いてくれよ・・・・・・
今回は海上自衛隊の新型DD (汎用護衛艦の意) 、『あきづき型』 を取り上げます。
海自では現在以下のDDを保有しています。
・ はつゆき型

・ あさぎり型

・ むらさめ型

・ たかなみ型

これらの護衛艦で蓄積されたノウハウに、
・ フェーズドアレイレーダーを中心とした同時多目標への対処が可能な戦闘システム
・ 船体外形の傾斜や、廃熱、水中雑音等への対策による相応のステルス性
・ 東西冷戦が終結した後に顕在化しつつある、沿海域での作戦への対処能力
・ 乗員の居住性の更なる向上、女性乗員への配慮といった、余裕ある空間の確保
等の新たなエッセンスを加えて建造されたのが、本型です。
「あきづき」という名前は、旧海軍時代の “秋月” を含めると3代目。
艦様は前型、「たかなみ型」の発展・改良版といった所でしょうか。
[対空戦闘システム]
本型の最も特徴的な点はここ!
従来のDDより大幅に性能向上が図られています。
従来型のDDは、あくまで自艦を守るためだけの対空用装備しか持ち合わせていませんでしたが、「あきづき型」は僚艦防空という個艦防空と艦隊を護衛する艦隊防空の中間的な役割を付与されました。
これを支えるのが 『FCS-3A』 と呼ばれる武器管制システム。
俗に “ミニ・イージス” 等と呼ばれる (正確には適当ではない) もので、
フェーズドアレイレーダーと射撃指揮システムを一体的に扱うのが特徴です。

↑ イージス艦に見られるコレが「フェーズドアレイレーダー」
対空用の具体的兵装として装備するのは 『ESSM』 というミサイル。

従来の “シースパロー” を基に射程・機動性を向上させた物で、
本型には艦橋前部のVLS (垂直発射器) に1セル毎に4発ずつ収納されます。
当初は国産のミサイル (性能ではこっちの方が上) を搭載する予定だったのですが、
昨今の予算削減等の要因でキャンセルとなりました。
見たかった・・・(マニア的目線
また、近接防御用としてお馴染み 『CIWS』 も搭載。

[対潜システム]
ここは従来DDと大差ありません。
搭載されるのは前甲板VLSに 『VLA アスロック』 の他、

↑ この後魚雷を切り離す訳
『HOS-303 3連装短魚雷発射管』 が両舷に各1基となります。

ちなみにアスロックに関しては、
2番艦以降は国産の「07式垂直発射魚雷投射ロケット」が搭載されるようです。
[対水上戦闘システム]
これも従来通り。
搭載されるのは 『90式SSM-1B』 です (SSM-1Bについては過去記事参照!) 。
[砲熕兵器システム]
DDでも「たかなみ型」から127mmの大型砲を搭載するようになりましたが、
「あきづき型」で搭載するのは、「たかなみ型」のオットー・メララ社製の物ではなく、
「あたご型」イージス護衛艦と同じアメリカ製の 『Mk.45 Mod4 5インチ単装砲』 です。
なお、このMk.45砲では “ERGM” という開発中の新型砲弾を搭載出来、
この弾薬は発射後ロケット推進に切り替わり、
GPSとINS航法慣性装置で130km程度まで着弾を±5mで誘導可能と言われている代物です。
んで、本型の何処が「保守的」なのかという話ですが・・・・・・
ほぼ同期の海外艦と見比べると、何となく分かってきます。
例えば、
アメリカの次期ミサイル駆逐艦「ズムウォルト級」

イギリスの「45型」駆逐艦

フランスの「フォルバン級」駆逐艦等です。

ズムウォルト級()を引き合いに出すのは少し突飛過ぎる気もしますが、
どの艦も「あきづき型」より ステルス性 を考慮した艦様なのが見て取れます。
「あきづき型」も、それまでのDDと比べればステルス性は幾分も向上していますが、
剥き出しの内火艇や90式SSMの設置部分等で洗練さに欠けています。
そもそも当初からこうだった訳では無く、
まだ「あきづき」という名前が決まる前、 “19DD” と呼称されていた頃は

こんな計画案があったりしました。
上の案では、艦体の形状を除いては、ほぼ「ズムウォルト級」に匹敵するステルス性を有すると思われ、また下の案でもかなりのステルス性を見込めそうに思えます。
これが予算やら何やらとの兼ね合いから・・・・・・

こうなり、

最終的にはこうなりました。
まるでコンセプトカーが、市販の段階に至るまでの過程のようですねw
未来的要素がどんどん削り取られていくのが分かるでしょう。
ただ、個人的には別にそれで良いんじゃないかな・・・という気がします。
ステルス性を本当に重視すると、例の「ズムウォルト級」のような艦型に成らざるを得ず、
アレはちょっとダサ過ぎて勘弁して貰いたいwww
それに、専守防衛を謳う自衛隊の艦船に「そこまでの」ステルス性が必要なのか? という話にもなりますしね。

現状「あきづき型」は4隻の建造が予定されています。
若干大型化し過ぎたため、次世代DDからは小型化を念頭に開発される・・・なんて噂も。
《ちなみに》
現在は “22DDH” と呼称される新型の対潜へり搭載護衛艦の計画が進行中です。

「しらね型」護衛艦の後継となる予定で、
同様の艦様を持つ「ひゅうが型」を更に上回る大きさで、海自最大の護衛艦となる予定です。
※この大きさでも海自では「DDH」、すなわち「駆逐艦」という扱いww ちなみに満載排水量や全長では、旧海軍の正規空母「飛龍」を上回るwww
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