初物に何かを期待しちゃいけない・・・それが教訓だ

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最近アニメと鉄道を行ったり来たりしてる気が・・・・・・
(勝手に私鉄の車両図鑑 No.9)
【東急6000系(旧6000系)電車】
当初所属 : 東京急行電鉄
製造 : 東急車輛製造
製造年 : 1960(昭和35)年
運用区間 : 東横線、田園都市線、大井町線、こどもの国線(予備車)
東急電鉄が開発した、通称 “エコノミカルカー” 。
運行経費と共に保守費の低減にも着目し、ステンレス車体 ・ 両開き扉 ・ 回生ブレーキ(※後述)など、その後の東急のスタンダードを確立させた車両です。
しかしこの車両、製造されたのはわずかに4両編成5本の計20両だけ。
それもそのはず、あまりに試作要素を取り入れ過ぎたのが原因でした。
最も特徴的な試作要素と言えば、「1台車・1モータ装備・2軸駆動」という駆動系統でしょう。
この構造、日本の電車としてはかなり珍しいんです。
その駆動系や搭載電装品のメーカーで分類するとA・B・Cの3タイプがあります。
・ A編成 (4両編成1本)
東洋電機製造製の電装品と駆動装置(平行カルダン方式 : カルダン軸という、電機子または交流モータの回転子と継手(つぎて)、継手と小歯車を結ぶ一連の回転軸が車軸に平行して設置される方式)を搭載する。
調子も良好で、このA編成をベースに量産編成のC編成が製造される事となる。
《平行カルダン駆動の図》

・ C編成 (4両編成3本)
A編成の量産化Ver.
同じく東洋電機製の電装品と駆動装置を搭載する。
さて、問題なのがB編成でした・・・
・ B編成 (4両編成1本)
東芝製の電装品と駆動装置(直角カルダン方式 : 自動車の4WDとよく似た方式)を搭載。
ところが、
□ 肝心の直角カルダン駆動方式が、メンテナンスに難がある
□ せっかく搭載した回生ブレーキが、度々作動しなくなる
□ そもそもモータの出力低過ぎ
□ その他の機器類も故障に次ぐ故障
という呪われたような不具合の嵐に襲われ、何度も何度も改造される羽目になった。
《直角カルダン駆動の図》

〈その他の、搭載されたけどトホホな技術〉
・ 台車の軸バネ
→近年のボルスタレス台車を思わせる画期的な構造を採用したが、具合が芳しくなくアウツ。
・ ドラムブレーキ
→基礎ブレーキとして採用するも、後にフツーな踏面ブレーキへと改造。
〈VVVF制御試験車への改造〉
先述したように故障があまりにも頻発するため、主にB編成を中心にVVVF制御の試験車とする改造が行われました。
回路構成なども黎明期を思わせる内容で、これまた故障が頻発。
営業運転に入る際は、乗務員の他に電機メーカーの技術者が同乗するという有様でした。
しかしこの試験結果は、後に登場する9000系( ↓ )などに活かされています。

〈その後・・・〉
VVVF試験車だったB編成は、廃車後ジョイフル本田の茨城県の店舗で販売されました。
C編成の一部は日立製作所と青森県の弘南鉄道に譲渡され、前者は既に廃車、後者はさよなら運転を行ったはずなのにまだ残存していて、時たま走ったりしてます。
一番上の写真は、その弘南鉄道に残る6000系の姿です。
〈ちなみに〉
この旧6000系が製造されてからおよそ半世紀後の2008(平成20)年、
東急電鉄は大井町線の急行列車用に「新6000系」( ↓ )を開発しました。

こちらは故障も無く、日々平穏に走っています。
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