平成27年度富士総合火力演習(教育演習)に行って来た

仕事終わりで前乗りする元気が無かったため前進経路上のビジホに宿泊し、
当日始発で向かったものの現着は8時前
本番ですとスタンド席は全滅でシート席も半分より後ろしか残っていない時間ゆえ、
良いポジションは確保できないかなーと思いつつ観覧席へ向かいます
なお今年は会場後方道路の上に渡される仮設橋が設置されていなかったため、
シャトルバスの乗降車場から少し歩きました

観覧席に入るとなんとスタンド席の端のほうは最上段も含めて空いており
シート席も8列程度にしかなっていません!
予行最高やな!!
というわけでEスタンドの上のほうに席を確保できました
少々風が強いですが天気も良く/^o^\フッジッサーンもきれいにみえます

会場前広場では点検射のラストとなる特科火砲が射撃を実施しています
予行でもさすがにこの時間に来て点検射を満喫することはできませんな…w

いつもの巨大オーロラビジョンですが、今回は右端に座っているため
右側の中型オーロラビジョンのお世話になります
これリースなんだろうけど借りるのにおいくら位掛かるんだろ

8時を過ぎるとグレーダやロードローラーが整地を開始
この時間になってもシート席はこんな感じです

朝食を食べたりツイッターを眺めてアニメGATEのスタッフも見学してるなんて情報を
見たりしているとあっという間に10時の演習開始が近づいてきました
やっぱりスタンド席は快適ですな ・・・撮影するには500mmくらいは欲しくなるけど
演習開始前の注意事項のなかでドローン使用禁止ということが伝えられますが、
例の事件以来他の自衛隊イベントでもよく注意されています

というわけで時刻は10時をまわり、前段演習が開始されました!
前段演習では遠距離・中距離・近距離火力とヘリ火力、対空火力、戦車火力といったかたちに
分けて陸上自衛隊の主要装備品を紹介していきます
まずは遠距離火力として特科火砲が射撃を実施します
こちらは車体を横にした状態で射撃する99式自走155mm榴弾砲
牽引砲との射撃準備時間の差を見せつけていましたが、こうしたことも
装輪155mm榴弾砲が開発されている理由なんでしょうなー

目標上空で炸裂する曳下射撃の弾着
炸裂した地点の下方に破片を撒き散らし広範囲を制圧することができます
アニメGATEでもアルヌスの丘における連合諸王国軍との戦闘で使われていました

同時に射撃する155mm榴弾砲FH-70(左)と203mm自走榴弾砲(右)
風向きの関係で発砲煙が観覧席に流れてきました…w

つづいて進入してきたのは高機動車に牽引された120mm迫撃砲RT
普通科が装備する最大口径の火砲で、機動性や速射性能の高さなどがウリです
北海道の第7師団第11普通科連隊のみが装備する96式自走120mm迫撃砲もみてみたいなー
と思っていましたが、平成22年の総火演で射撃が公開されていたようです
見たかった…

120mm迫撃砲の射撃
迫撃砲は一部を除き前装式のため射撃のタイミングが分かりやすく、
発砲炎も撮りやすいと思います(これは微妙ですが…w)
モノが小さいためシート席からは見づらいですがスタンド席からだとこの通りです

誘導弾の展示に移りましてこちらは中距離多目的誘導弾
高機動車ベースの車体に6連装発射機、追尾装置、自己評定装置を一体化したシステムを搭載しています

軽装甲機動車のルーフから01式軽対戦車誘導弾の射撃
赤外線画像誘導方式による撃ち放し能力を有するため、射撃後目標に命中する前に
離脱する様子が展示されていました
高性能な対戦車火器ですが射撃に熱源感知が必要であることなど制限も多く、
以前の総火演では目標を捕捉できず射撃中止となったこともありました

つづいては普通科火力の登場です
こちらは対人狙撃銃を装備したスナイパーチーム
展示のため見やすい場所から射撃しましたが、この格好で茂みに入られたら発見は困難でしょうなー
地形の影響もあるかもしれませんが観覧席にいても銃声がはっきりと聞こえてきたため、
サプレッサー等の装備があるのか気になります(マイクで音を拾った可能性も…?)

96式装輪装甲車に搭載された96式40mm自動てき弾銃の射撃
40mmグレネード弾を毎分約250~350発の速度で連射することができる自動火器です
新編される水陸機動団に配備されるAAV7には同種の自動擲弾銃であるMk.19が搭載されて
いますが、これを機に宿営地防御など様々な運用を検討してほしいと思います(キリッ

同じくWAPC車上から射撃される12.7mm重機関銃M2
設計から80年以上経った現在でも世界中で調達・運用されている傑作重機で、
米軍でも後継として開発されていたXM806が開発中止となったため使われ続けています
数発に1発混ぜられた曳光弾により弾道を目視することができましたが、
ぜひとも夜間演習での曳光弾射撃も観たくなりました

WAPCから下車した普通科隊員による89式小銃および5.56mm機関銃MINIMIの射撃
これもシート席からはみづらいですがスタンド席からはばっちりみえます!
例年被弾した的が炎上していました(演出?)が今回は燃えませんでした

さらに84mm無反動砲および110mm個人携帯対戦車弾の射撃
手持ちできる火器でこれほどの威力があるとは改めて驚きです
ハチヨンは対戦車榴弾、多目的榴弾、発煙弾など様々な弾種が使用でき総火演でも披露されましたが、
射撃命令のリズミカルさが際立っていましたw

こちらは35mm機関砲の横に装備された74式7.62mm車載機関銃を連射する89式装甲戦闘車
主砲と同軸に装備される機銃を一般的には「同軸機銃」と呼びますが、陸自では「連装銃」と呼んでいます
しかし、主砲と同じ旋回軸であることが重要なのであって
「連装」ではその意味が出ないと個人的には思います(キリッ

つづきましてヘリ火力の展示に移ります
AH-1S対戦車ヘリは対戦車誘導弾TOWを射撃しますが、個人的には何度か見ているものの
撮影できたのは初めてだったので嬉しかったです(こなみ)
よーくみると誘導用のワイヤーが確認できます

30mm機関砲を連射するAH-64D戦闘ヘリと弾着観測を務めるOH-6D観測ヘリ
最近の総火演ではOH-1が観測していたため2015年2月の事故による影響なのかなー
と思っていましたが、装備品展示の際に確認したところ単なる演習構成上の理由とのことでした

ヘリの次はその対抗策となる対空火力です
こちらは87式自走高射機関砲で、画像右に35mm曳光弾の軌跡が写っています

前段演習のトリとなる戦車火力は74式戦車からスタート
現在第1機甲教育隊所属らしい74改が混ざっていないかと探しましたが確認できませんでした…w

90式戦車の行進間射撃
狙った車両の2つ後ろの発砲炎が写ってます…

方向転換後すぐに射撃する10式戦車
やっぱり戦車はかっこいいのう

ヒトマル小隊が離脱していった後に取り残された1輌
これ以前の予行で74式戦車の履帯が外れるトラブルがあったため「またか!?」
と思いましたが、少し停車したあとで自走して離脱していきました
なんだったんだろうか

第1音楽隊と富士学校音楽隊による音楽演奏やビデオ上映を挟んで
11時20分ごろ後段演習が開始されました!
後段演習ではわが国の島嶼部に対する攻撃への対応を部隊配置、機動展開、
奪回という流れで展示していきます

まずは上陸前の敵部隊に対して攻撃を実施
03式中距離地対空誘導弾の発射装置が射撃体勢に入ります
能力向上型の03中SAM(改)が開発中とのことですが、ホークが全て更新されるのは
いつになるのだろうか(遠い目)

こちらは総火演初登場の地上レーダ装置1号(改)JTPS-P23
沿岸監視隊などに配備されている監視装置で、延ばしたレーダをひょこひょこ動かしていました
ウィキペディア先生によると類似のJTPS-P12は82式指揮通信車ベースの
装輪装甲車に搭載されているとのことですがマジデ!?

展開中の敵艦船絶対殺すマンたち
手前の12式地対艦誘導弾は装備品展示を除けば総火演初登場でした
同じく重装輪回収車ベースの03中SAMほどではありませんが、
88式地対艦誘導弾よりも大きく仰角をとれるようです

対艦攻撃を実施するF-2戦闘機(築城基地、第8航空団第6飛行隊)
ご覧のとおり旋回時にヴェイパーを引いてました
・・・機首が切れてるのは気にしないで下さいorz

F-2搭載のJDAM誘導爆弾による攻撃(という想定の仕掛け爆薬)
「ホントに落としたの!?」と盛り上がる観客に生暖かい眼差しを向ける
ミリタリーおじさんたちがいました(優しい世界)

損害を受けつつも上陸に成功した敵部隊を偵察するOH-1観測ヘリ
やっぱり陸自のヘリは緑を背に低空飛行するのが似合いますなー

地上偵察のためUH-1J多用途ヘリが偵察オートを輸送してきました

偵察の結果を踏まえて先遣部隊を展開させるため射撃援護するAH-64D戦闘ヘリ
よーく見ると薬莢がバラバラと落ちていきますが、
射撃位置の下は草のない所のようですので例によって回収するのでしょうか…w

アパッチの援護のもと、UH-60JA多用途ヘリからラペリング降下により展開する先遣部隊
機首前方の突起物は航法気象レーダー、機首下方は前方監視赤外線装置(FLIR)です

さらにCH-47J輸送ヘリにより高機動車や兵站物資を搭載したトレーラーを
牽引したパジェロが輸送されてきました

ここで陸自が導入予定のMV-22オスプレイが(スクリーンに)登場!
チヌークとの比較により航続力や速度性能の高さが紹介されていました
まぁペイロードが違えば運用も違うので上位互換というわけではないですが…w
なお、本番では後段演習の後に米海兵隊のMV-22が航過しました

さらにAAV7水陸両用車もスクリーンで紹介
てっとり早くノウハウを得るためにはいいのでしょうが、
すでに開発から数十年経っている装備のため米海兵隊のもの共々後継が気になるところです
三菱重工が研究中のものが輸出されたりするのだろうか

敵警戒線を突破して偵察範囲を広げるべく攻撃を仕掛ける87式偵察警戒車
後継とされる近接戦闘車(偵察型)の進捗状況はどうなんでしょう…?

87式偵察警戒車の射撃によって敵警戒線に混乱が生じたのに乗じて偵察オートが前進していきます
やっぱり小さ目の装備を見るにはスタンド席の方が良いですなー

先遣部隊に続いて重装備が揚陸されたところで、敵陣前面の障害処理を
行うべく特科火砲が煙幕を形成
もくもく作戦です!

障害処理を妨害する敵戦車を74式戦車が射撃します
坂からの射撃にも関わらず油気圧サスペンションにより車体が水平に保たれているのがよくわかります

援護のもと処理用ロケットを投射する92式地雷原処理車

処理用ロケットの爆薬が炸裂し地雷原を処理!
爆薬量を4分の1にしているとのことですが、等間隔に減らすのではなく真ん中だけ
抜いているのは何か理由があるのだろうか

敵の航空攻撃に備えて展開する93式近距離地対空誘導弾

突撃する90式戦車小隊
前から2輌目は陣地構築などに用いるドーザ付きです

同様に隊列を組んで突撃するFV
車長が赤ヘル被ってるのは普通科だからなのだろうか

FVが発煙弾を発射し陸空一体となって突撃!
予行ゆえか発煙弾発射したのがFVだけだったためちょっと地味でした…w
戦果拡張を図る…というところで状況終わりとなりました

演習も終わった12時40分頃、装備品展示に突撃するため最前列に移動してきたところ、
なにやら4つ桜のついたクラウンが停車中
3つ桜が陸将なので予行なのに陸幕長が来てるのか?と思いましたが、
そうではなく防衛副大臣でした(ちなみに防衛大臣、首相は5つ桜)

装備品展示の準備が整ったところで気になったものをパシャパシャと
こちらは12式地対艦誘導弾(特科教導隊第6中隊)
これまでの陸海空の対艦誘導弾は派生関係にありますが、こちらも海自の新SSMのベースになるようです

多連装ロケットシステム自走発射機MLRS(特科教導隊第5中隊)
キャビンの窓には射撃時の噴煙や砲弾片等を防ぐための防弾シャッターが下りています
以前、輸送艦しもきた艦上にて射撃態勢をとるなどの訓練を実施して話題となりました

89式装甲戦闘車(普通科教導連隊第1中隊)
車体後部の兵員室には車内から小銃射撃ができるガンポートが備えられていますが、
非対称戦争による防護力向上の要求などにより世界的には塞がれることが多いようです
そのため陸自でもガンポートを使った訓練をやってないかも?
と思っていましたが、伺ったところちゃんとやっているとのことでした

96式多目的誘導弾システム(富士教導団本部付隊)
光ファイバ赤外線画像誘導方式により敵戦車や上陸舟艇等を狙う多目的誘導弾です
システム1セットが6両により構成される大柄なシステムなため、
79式重MAT・87式中MATの後継は中距離多目的誘導弾となるようです

87式偵察警戒車(偵察教導隊)
車長・砲手・操縦手のほかに2名の偵察員が搭乗しており、
車体側面の車輪の間に乗降用の扉が設けられています

10式戦車(戦車教導隊第1中隊)
データリンクや脅威度判定など高度なC4Iシステムを搭載した陸自4代目の国産戦車です
車体前面の操縦手用カメラは斜め下向きに設置されているため
走行時に跳ねた泥で塞がれてしまわないかと勝手に心配していましたが、
「多少は跳ぶけど見えなくなるほどのことはない」とのことでしたw

90式戦車(戦車教導隊第3中隊)
着上陸してきたソ連機甲部隊との戦闘を想定して開発された陸自3代目の国産戦車です
自動装填装置を搭載したことで乗員数は3名に減少していますが、
装填手がいなくなった分整備や擬装といった乗員が行う作業が大変になったという話もあります

92式地雷原処理車(教育支援施設隊)
地雷原処理ロケットは一気に地雷原を啓開できますが、
導爆索が立木などに引っかかり浮いてしまうと誘爆させられないため
いまだに昔ながらの爆薬筒を用いた方法も使われています

91式戦車橋(教育支援施設隊)
重量50tの90式戦車も通行可能な20mの橋を架けることができる架橋車両です
車体より大きな橋体を搭載しているため、操縦時の視界を確保するべく複数のカメラが備えられています

CH-47J輸送ヘリの展示機には天狗と「AKAGI」の文字が描かれていました
赤城山に因んだもので相馬原駐屯地の第12ヘリ隊第2飛行隊所属機…かと思いましたが
第1ヘリ団所属のようです よく考えると相馬原は赤城じゃなくて榛名ですしおすし

教育支援飛行隊富士飛行班のUH-1J
機体下の金具はスリング用のものでしょうか

99式自走155mm榴弾砲(右)と203mm自走榴弾砲(左)
99式の砲身の長さも際立ちますが、自走20榴の車体のコンパクトさにも改めて驚きました

毎年恒例、偵察オートジャンプ台下のアヒルちゃん
なぜか毎年見逃していたのですが今回ようやく見られましたw

装備品展示も一通り見終わって地獄のシャトルバス待機列に並び始めたところで
警務隊の白バイ(ヤマハXJR400)を発見
車種はいくつかあるようですがいずれも偵察用とは異なるものです
なお、帰りのバス待機列は位置変更のためか予行のためかかなり時間が短縮されて楽ちんでした
帰りがけ、御殿場駅のホームで疲れてボーっとしながらスマホをいじっていると
なんと先ほどの演習間に10式戦車の演習弾のサボの破片が観客に当たり
ケガを負ったとの情報が目に入ってきました!
幸い軽傷で済んだようでしたが、この影響で翌日の本番では90式戦車はHEAT弾のみ
10式戦車は空砲のみの射撃となりました
さらに本番では10式戦車の履帯も外れて回収車に牽引されるという場面もありました
なんかいろいろある年だったなぁ…
初めてのスタンド席からの見学はシート席とは違う魅力があり大満足でしたが、
空挺降下もエクストラクションロープ離脱も空中散布地雷も無人偵察機システムも
登場しないなど正直少しスケールダウンした印象を受けました
まぁ私が見慣れてしまっただけかもしれないので、今後の60mm迫撃砲や機動戦闘車、
AAV7、装輪155mm榴弾砲といった新装備のお披露目を期待したいと思います(キリッ
ではでは今回はここまでノシ
<おまけ>


もはや毎年恒例となった防衛ホーム号外の広告欄
今年はガルパン劇場版とGATEでした
来年もここに広告を載せられるようなコンテンツが出てくるといいなぁ
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