・・・でも僕は、美樹さやか!
MAOっちが率先してキャラ萌え的な記事を書いてくれた、ということで
乗るしかないじゃない!このビッグウェーブに!

いやーマミさんは可愛いなあ
で、だ。
マミさん派は少数派かもしれないが、一定数は居るはずなんだ。
しかし、あえてさやかを推す人間に、わたしは今まで出会ったことがないのである。
やはりさやかには、魅力がないのだろうか?
いや、そんなはずはあるまい。
その辺を必死に弁解してみようと思う。
1.徹底した道化


さやかの大きな魅力はこれだ。
不憫萌えの真骨頂がさやかには備わっている。
鬼畜めがn・・・じゃなかった鬼畜脚本こと虚淵玄によって作られたこのキャラ。
ただの元気キャラでないことは薄々分かっていたが、予想以上のピエロっぷりであった。
例えば、1話冒頭の
いかがだろう、今思い返してみればまどか「でね。ラブレターでなく直に告白できるようでなきゃダメだって」
さやか「相変わらずまどかのママはカッコいいなあ。美人だしバリキャリだし」
仁美「そんな風にキッパリ割り切れたらいいんだけど…はぁ」
さやか「うやましい悩みだねえ」
まどか「いいなぁ。私も一通ぐらいもらってみたいなぁ…。ラブレター」
さやか「ほーう?まどかもヒトミみたいなモテモテな美少女に変身したいと。そこでまずはリボンからイメチェンですかな?」
まどか「ちがうよぅ、これはママが」
さやか「さては、ママからモテる秘訣を教わったな?けしからーん!そんなハレンチな子はー…こうだぁっ!」
まどか「や…ちょっと…やめて…や…め…」
さやか「可愛いやつめ!でも男子にモテようなんて許さんぞー!まどかは私の嫁になるのだー!」
1話から既に空元気だったのではないか?
と思えなくもない。
一見ただの元気キャラのように見えるが、
ひたすらまどかをイジるのに徹している点に注目して欲しい。
イジる側、というのは、
1.いじるネタ
2.自分がイジられ返されない状況
この二つさえ揃えば、圧倒的に楽な立ち位置にいるのである。
なぜなら、
自分のことを棚に上げて会話できるからである。
これにより、恭介絡みの緊迫を孕んだ人間関係は「自分だけの問題」として処理することが可能になる。
今一歩踏み出せないヘタレっぷりを悟られ、突っ込まれずに済むのだ。
こういう行動に出る、ということは、
「ほんとうに大事な問題は、誰にも相談しない(できない)」
という性格によるものだと考えられる。
ありふれた問題は愚痴って発散できるが、
案外大きな問題であればあるほど抱え込みやすい。
そこに突っ込まれたくない、という防衛本能のようなものが働いている。
イジる側に立つということは、まさに自己防衛である。
攻撃は最大の防御、というわけだ。
さやかは、無意識にこれが実行できてしまっている。
このような人間関係が、さやかのピエロっぷりに拍車をかけるのだ。
2.徹底したクズっぷり


いざ恭介絡みの人間関係が大きく変動すると、
さやかはそれに対応できなかった。
まどかに愚痴り続け、
ほむらに八つ当たりし、
杏子の意見も最後になるまで吸収しない。
それもこれも、複雑な過程から生み出されたマミさんの正義とぼっちという境遇を曲解し、
単純化された「正義」で理論武装しているがためである。
MAOの考える「マミさんの『豆腐メンタルを超えた強い思いや覚悟』」など、
さやかには存在していない。
またさやかは、「ゾンビになった」と嘆いているわけだが、感情を無視して言えば自業自得だ。
仮に感情を考慮したとしても、自ら正義の味方失格と認め、それを嘆いているわけである。
自己犠牲に見せかけた自己愛である。
しかしこれを、「中学生だからしょうがない」と言い切れるだろうか?
否。
性格を一瞬にして根本から変えるのは到底不可能といってよい。
特別なアクションや経験がない限り、その性格は未来永劫引きずるものとなる。
つまりさやかは、
「正真正銘のクズ」なのである。
その証拠に、ほむほむが何周しようとさやかは魔女化する。
「何度でも繰り返」していたのは、ほむほむではなく、むしろ さやかだったのではなかろうか?
そして、
そのクズっぷりのゆえに、皆さやかが嫌いなのだ。
どこかで心当たりのあるキャラ、それがさやかなのである。
だが、それがいいのである。
3.真のぼっち

こうした性格のゆえに、さやかは
バカ騒ぎしても満たされない
タイプの人間であると推察される。
むしろ元気なキャラを演じれば演じるほど、心のなかの空虚さは増すのである。
そして勝手に孤独感を増長させ、取り返しのつかない心の暴走を招く。
これを真のぼっちと言わずして何と言うべきか。
つまり、さやかは「真のぼっち」たるキョロ充ということができるだろう。
4.カプ厨にとって格好の材料

・・・このように救いようのないさやかであるが、
広い人間関係と、底に横たわる心の闇によってカプ厨の格好の的となる。
安定の杏さやをはじめ、リバもおk。
さらにニッチなところではさやほむ(ほむさや)もあり。
個人的には杏さや以上に推したい組み合わせである。
まどかに関しては、ほむほむとの組み合わせがフィーチャーされがちだが、
さやかとまどかの組み合わせワンチャンある。
また単純に恭介と組み合わせることもできるため、
他のキャラと比べて性別の垣根を超えることができる点も特筆に価する。
憎まれがちな瞳でも、さやかならカプとしての組み合わせが考えられる。
また、恭介と瞳を概念となって見守る最強のピエロとしても君臨する。
(詳しくは蛸壷屋の厚くて薄い本を参照)
他にも、薄い本では一番ダークで泥臭い展開を演出できるポテンシャルを持っている。
ぼっち→メンヘラセクロス安定のマミさんという競合もいるが、
ガチで心をズタズタにする作風を目指す場合は、さやかの方が適役であろう。
5.結語

さやかは「負の概念」である。
概念になってしまったため、キャラ萌えの対象になりにくくなったまどかであるが、
さやかもまた負の象徴たる概念として、あらゆる人の心の闇を写す鏡となった。
それゆえに多くの人がさやかを忌避し、
その分だけ他のキャラに萌えを見出す。
これによって、まどかによって救済されたさやかが「負の概念」として、
「まどかという光」の「影で」「輝き続ける」のである。
徹底した悲劇を演じきったさやかに、敬意と賞賛と愛を。
6.余談
BD・DVD版のさやかの変身シーンをご存知だろうか。
さやかの変身シーンの背景には、楽譜が映し出されている。
実はこの楽譜、適当なものではない。
ポーランドの作曲家、テクラ・バダジェフスカ(Tekla Bądarzewska-Baranowska)の
『乙女の祈り』の譜面なのである。
(参考動画)
このバダジェフスカ、Wikipedia先生によれば、
人物・来歴 [編集]
ボンダジェフスカはワルシャワから北北西に100km離れた町ムワヴァ(Mława)の生まれで、生年を1834年とする説と1838年とする説がある。彼女は本格的な音楽教育は受けていなかったが、サロンでのピアノ演奏家として活躍し自ら作曲も行っていた。1856年、18歳あるいは22歳ごろの時に作曲した『乙女の祈り』(波: Modlitwa dziewicy, 仏: La priere d'une vierge)がパリの音楽ニュース雑誌に掲載され、その名が広く知られるところとなった。この曲を作曲したのち、J・バラノフスキと結婚し5人の子供をもうけたとされる。この曲を含め小品を35曲ほど作曲したが、1861年に病弱のためにワルシャワにて23歳あるいは27歳ほどで夭折。彼女に関する作品や資料については第二次世界大戦等により大半が消失したため、現在では『乙女の祈り』以外はほとんど知られておらず、特に本国ポーランドでは認知度が低い[1]。これは「祈り」という言葉が、共産圏の影響下にあったポーランドで不適切とみなされたためとの見方のほか[1]、音楽に高い芸術性を求められた時代、音楽教育を受けていないこの『少女』に対して、「浅薄な素人くささを超えられなかった」と、19世紀の音楽事典が酷評したことからも、当時の「偏見」の存在を理由とする見方もある[2]。
とある。
また、バダジェフスカの楽曲は殆ど知られていないが、
(日本で『乙女の祈り』が高い人気を誇っているのがむしろ例外と言える)
バダジェフスカの主要な楽曲は、もう1曲ある。
それは、
『かなえられた乙女の祈り』という曲。
(参考動画)
http://www.youtube.com/watch?v=XSVcb41Nmio
ここまでの楽曲的背景をスタッフがどの程度考慮していたかは定かではないが、
さやかの悲劇性は、皮肉にも非常に古典的なものだったのかもしれない。
(作品全体の古典性の一部、とも言えるが。)

・・・さやかの人生は、それはそれは悲劇的な人生だったが、
「さやかの祈りは、叶えられた」ことを忘れてはいけない。
まどかによって救済されたさやかが、
「自らの祈りは叶えられた」ということを思い出した。
そのことだけでも、いや、これこそがさやかにとって、とてつもなく大きな救いではないだろうか。
恭介とくっつくことが、真のハッピーエンドではない。
それを通り越したところに、自分の祈りはあった。
そういう純粋さを、最後に見出すことができたわけである。
これを「救い」と言わずして、何と言うべきだろうか。
でも恭介だけは絶対に許さない。
絶対にだッッッ!!!
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