映画「けいおん!」を観賞して・・・ ~感想のようなもの~
※WARNING
この先の内容は、「感想」という性格上ネタバレ等を含んでいます。
もし、これを読んでいる貴方がまだ映画をご覧になっていないのであれば、読まないことを推奨します。
私や誰かの主観が入った状態で観てしまっては、折角の作品を純粋に堪能出来なくなる可能性があるからです。
まずは自分の眼で観て、その後に私の感想なんかも読んで頂けると幸いです。
・・・・・・では、書いていきましょうか。
まぁそんな警告するんならそもそも書くんじゃねぇよ! って話ですがww
《私と「けいおん!」の出逢い》
映画の感想を書き出す前に、私とこの作品とのこれまでの付き合いを振り返ってみようと思います。
え? 興味無いって?
そういう方はスクロールして次行って下さいwww
私がこの「けいおん!」という作品を知ったのは、確か1期終了後の'09年夏頃だったと思います。
このサークルのメンバーには何度か言いましたが、そのきっかけはあるニコニコ動画のMAD作品でしたw
当時の私は今になって思えばかなり「硬派」なアニメを好んでおり、
この手の「女の子しか出て来ない “萌えアニメ” (若干語弊があるけど)」は、大嫌いな部類でした。
それが、先述のMADを観た事から「けいおん!」という作品に興味を持ち、1期のDVDを借りてきて観たりしてる内に、
こんな事になっていましたw
そういう意味で、「けいおん!」は私の趣味の “幅” を広げてくれた作品だと理解しています。
「食わず嫌い」ってのは良くないんだなと実感した訳です。
《映画公開を迎えて》
ここでは映画本体の感想でなく、公開に至るまでの心境を書いていこうかと。
「映画化決定」の題が打たれたのは、2期の最終回後。
私もそれを生でTVで観ていた一人でした。
当時は原作も唯達3年生の卒業で幕を閉じ(その後の展開は言わずもがなですがw)、アニメもこれで終了。
永遠に続くかに思われた “日常” の終了に、心苦しい思いをしていました。

そこにあのテロップが!
もう感極まりましたねw
一人でガッツポーズとかしてましたもんねwww 深夜なのにww
ただそれと同時に、「この作風でどう映画化するんだろうか」という、不安も入り交じった疑問が浮かんだ訳です。
「映画」というスケールに合わせても、それが果たして「けいおん!」として纏まるのか。
BD ・ DVDの特典として入っていた番外編の内容から、海外旅行の話が描かれるんじゃないかという憶測が流れ出すと、
尚の事不安になりました。
舞台をそこまで変えてしまうと、もうそれは「緩やかな日常を描く」というポリシーから完全に脱却してしまうのではないか、と。
《映画を鑑賞して(序盤)》




※言わずもがな、この画像は予告編からですよw
さて、本題。
映画の内容について、思う所を語っていきましょうか。
序盤は何処に旅行に行くかを決めるのが中心。
と言うかそもそも、「卒業旅行に行こう」って事は半ば副次的に決まった事(何が本筋なのかは後々言いますが)。
意外と桜高でのやり取りが多かった事に驚きましたね。
もっと削って、ロンドンでのシーンを多く取るのかなと思っていたので。
こういう何気ない彼女達の姿を観るのは、実に1年振り!
やっぱり何処かホッとする雰囲気を持って、私達を迎えてくれました。
見所としては、
・ 久々という印象を受けない、彼女達の姿(中の人の演技とも言うw)
・ 始まってそうそうの茶番劇w
・ OP 『いちばんいっぱい』
・ 相変わらずのティータイムの中に流れる、唯達の卒業という空気
・ カイジばりのイカサマで自らの希望の行先にしようとする唯w
・ ロンドンに決まってやたらとハシャイジャッテな澪w
・ バームクーヘンの袋開けようと必死に頑張るムギw
・ あずにゃああああああああああああああん(^ω^)
・ り っ ち ゃ ん
辺りが挙げられるでしょうか。
・・・え、何かがおかしい? いえいえ、何もおかしくねーしですよ?ww
《映画を鑑賞して(中盤)》




そして、「卒業旅行」として英国はロンドンにやって来た放課後ティータイム。
空港に向かうのに各々Myギターやベースを持って来てしまうのはご愛敬w
それじゃりっちゃんはドラムなんか持って来れる訳無いんだから可哀相・・・
と思ったらスティックだけ持って来てましたw 意地なのかな?ww
飛行機の機内は「あるある」が満載(乗った事無いけど)。
着いたら着いたで、澪の荷物だけ流れて来ない・・・とか、流石のキャラ設定ですww
そしてロンドンでは計2回演奏をする事になる放課後ティータイムですが、
この中盤では「寿司バー」で、半ば済し崩し的に演奏!
寿司の店で「カレーのちライス」をやらかす辺りが、どっかズレてる訳でw
何でそこで演奏する事になったのかは・・・・・・自分で観た方が良いですねww
せっかく楽しみにしていたアフタヌーンティーにありつけなかったり、
買ったばっかの靴で靴擦れが起きちゃったり、
予約してあったホテルかと思えば別の場所だったり・・・・・・
とかく遠出の旅行にありがちな「トラブル」も、しっかりと描かれています。
これらは、実際に現地取材に行ったスタッフの方々に発生した事態がモデルとの事w
《映画を鑑賞して(終盤)》




ロンドンから帰国し、唯達の卒業が間近に迫って来ます。
そして話は画像のシーンへ。
TVシリーズ2期をご覧になった方なら見覚えがあるでしょう。
何故このシーンに話が繫がるのかという事は、やはりこの後に書きますので。
そしてエンディングにテロップと共に流れる「Singing !」・・・・・・


本日ジャケットも公開された訳ですが、曲と共にこれは神懸かってますね!
いつもは初回限定版しか買わないんですが、今回ばかりは通常版も欲しいですw
エンディングに流れるのは「Singing !」(PV風のアニメーション付き)と「ふわふわ時間」の2曲。
「ふわふわ時間」はこの作品を象徴するような楽曲なので、使用されて嬉しい反面、
「Singing !」ONLYで締めた方が、作品の最後としてはキッチリ纏まったのかなぁとも思いました。
《映画を鑑賞して(総評)》




さっきから散々後回しにしてきた事について言及しましょう。
それはすなわち、この作品の「根幹」について。
観賞前は「ロンドンへの卒業旅行」がメインに描かれるものと考えていたんですが、実際は違いました。
この映画がメインに描いているのは「唯達3年生組と梓との関係性」です。
実は序盤からその展開は見え隠れしていて、最初は卒業旅行ではなく
「最後に何か梓に先輩らしい事をしたい」
という唯の発言から、「何をすれば先輩らしくなるのか」という事を3年生組は考えます。
そのため、実は卒業旅行という出来事もその目的を達するためのファクターの一つに過ぎず、
「曲を作ろう」という事が決定しても、それは旅行中にさえ持ち込まれます。
ロンドンに向かう機内で、ホテルで・・・・・・
肝心の梓本人にバレてしまっては元も子も無いと、3年生組(特に唯)は奔走する事になります。
ロンドンでの2回目の演奏の後、彼女達は気付きます。
何か特別な曲じゃなく、いつもの、自分達の曲を贈るのが一番だと。
帰国してからも何か隠している様子の先輩達に、梓も訝しみつつ “その日” を迎えます。
卒業式後の先輩達からのサプライズ楽曲の提供。
それが例の場面であり、「天使にふれたよ!」だった訳です。
TVシリーズの裏側が描かれた訳ですね。

このシーンで良かったなぁと思ったのが、あずにゃんが涙するシーンをカットした事。
確かにこのシーン感動的ではあるんですが、TVシリーズと映画の2回見せる必要は無いと思うんです。
ともすれば「お涙頂戴」とも受け取られかねず、それではあずにゃんの涙が酷く安っぽいものになってしまいます。
ここをカットする事により、終盤に向けて変に盛り上げてやろうという雰囲気が消せたのが素晴らしかったです。
全編を通して言うと、実に「アニメ映画らしくないアニメ映画だな」という感想を持ちました。
どちらかと言うと実写の見せ方に近いんじゃないですかね?
ストーリー全般を通しての話なんですが、そこまで大きな出来事 ・ 事件がある訳じゃない。
ささいな日常の一コマ一コマを集め合わせて物語が構築されている・・・とでも言いましょうか。
元々の作品の世界観がそういう方向なんですから、当たり前と言えば当たり前なんですが。
この印象を顕著に持ったのは、話のラスト。
具体的には書きませんが、「え? ここで終わり?」という場面で映画は幕を閉じます。
それこそまだこの話は続くかのように(実際その通りなんですがw)。
時系列的には2期27話とする番外編と24話の間がメインな訳ですが、ラストに限っては別。
原作④巻を読んだ方なら脳裏に過ぎる台詞と共に、彼女達が校門から出て行くシーン。
これは24話においても描かれていなかった、まさに「TVシリーズのその先」です。
原作にあるシーンだと言われれば当にその通りなんですが、何て言うんでしょう・・・
良い意味でその雰囲気を崩すこと無く終わらせた ・ 完遂したとでも言えば良いんでしょうか?
そもそもこの「けいおん!」のような近年言及されるタイプの「日常系」アニメや漫画と、
具体的に名前を挙げるなら「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のような「日常系」の作品との違いは何か。
それはやはり 作中の時間が進むか否か 。

「けいおん!」ではその時の流れが、3年生達の卒業という形で描かれ、
「らき☆すた」では同じくこなた達の卒業 ・ 大学への進学という区切りが打たれ、
「ひだまりスケッチ」でも、やはり3年生達の卒業という出来事が確実に接近して来ています。
一方、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のキャラクターは半永久的に歳を取りません。
毎年毎年、同じような時間を繰り返しています。
後者は「サザエさん方式」とまで呼ばれ、長寿アニメの定番路線と化しています。
それと異なり前者の作品群、言うなら近年の「日常系」作品は、
一見同じような毎日を繰り返しているようでいて、最終的には何かしらの “節目” を迎えます。
「けいおん!」を観て何処か懐かしい気分に浸るというのは、ここら辺りから発生している事なのかもしれません。
昔の友達と、たわいもない会話をして、遊んで、勉強して、喧嘩して、仲直りして・・・・・・
そんな誰にでもあったはずの毎日の様子が、作品中そこかしこに現れていて、
それこそ卒業アルバムを覗き見ているような、そんな錯覚に囚われるからなのかも。
ここで突き付けられるのは、そんな何気無い毎日であっても、もう二度と戻れないという現実。
つまり我々はスクリーン内の彼女達の姿に、「過去の自分」を投影しているのでしょう。
だからこそ、作品への思い入れも特別なものになるのです。
この意味において、
私は今回の「けいおん!」の映画に対し「アニメ映画らしくない」という印象を持つに至った訳です。
例の24回商法に乗っかる訳じゃありませんがw、
「何度か観てみたい」
「違った角度からまた観てみたい」
そういう思いを持つに足る映画だったと思います。
今回の映画で「けいおん!」のアニメでの展開はラストという話もあり、
もっと長く続けてやって欲しいという望みもあれば、前述の「節目」という事でこれで終わって良いという考えもあります。
自分でも表現し切れない、何とも複雑な気分ですw
最後となりますが、
この「けいおん!」という作品を世に送り出した関係者の皆様には、感謝の思いでいっぱいです。
一視聴者として、ここまで熱中出来た作品はそうありません。 幸せな日々でした。
ここまで読んで下さった方も、本当に有り難うございます。
拙い文章なので、この映画の魅力は恐らく半分も伝わっていないでしょうw
可能な限り、自らで劇場まで足を運び、実際に観賞する事をお勧めします。
『「けいおん!」、最高!』
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