チョコレート色の・・・
(勝手に私鉄の車両図鑑 No.16)
【阪急9300系電車】
所属 : 阪急電鉄
製造 : 日立製作所、アルナ車両
製造年 : 2003(平成15)年~2010(平成22)年
運用区間 : 京都本線
「阪急電車」と言えば、近年は映画で話題になったりしましたね。
そのイメージはチョコレート色(正確にはマルーン)一色で塗られた車体。
この9300系も、ご多忙に漏れず “阪急らしい” 車両です。
〈外装〉

外装色は何度も言うように、「阪急マルーン」一色の塗装。
会社としてのイメージを確立させています。
車体長は19m。
阪急標準なんですが、関東民からすると何とも中途半端に見える長さです。
車体はアルミ合金製のダブルスキン構造。
日立製作所の「A-train」仕様で製造された物で、東武50000系列や東京メトロ10000系等と同じです。


〈内装〉

従来、京都線を走る特急用車両は2扉 ・ 転換クロスシート装備が伝統だったのですが、
特急の停車駅増に伴う乗客の増加に対応するため、本形式は3扉構成となりました。
クロスシートは幅を900mmとし、シートピッチは950mm。
ロングシートも幅を480mm取っており、通勤車としてはかなり広めです。
そして、「阪急電車」のイメージを形作っているのは外装色のみじゃありません。
木目の化粧板やアンゴラ(モヘヤ)を用いる濃緑のシート・・・
これらも一貫して阪急の車両では統一された配色なんです(ドアや妻部は従来より濃い色になっているようですが)。

更に、間接照明なんてお洒落な物まで装備!
以前はもうワンランク上に、蛍光灯を完全にカバーで覆うという事までやっていたんですが、
難燃性基準の改正により樹脂製の蛍光灯カバーが使えなくなったため、代わりとしてこのような形態になったんだそう。

車内案内は第3編成まではLEDの1段表示式の物でしたが、それ以降はLCDの2画面構成。
悔やまれるのは千鳥配置という所か・・・・・・ww
ちなみに表示パターンは関東で普及する物とは全く異なり、阪急独特なものとなっています。
他にも、即窓の天地寸法拡大(第3編成まで)等、
「A-train」仕様を導入してコストダウンを図りつつも、上質な車内空間が実現されています。
んで、このような話をすると大抵言われるのが
「関西私鉄に比べて関東私鉄の車内はヘボ」 という論理。
《関東》




《関西》




「オリジナリティがある」という意味で言えば、確かにそうでしょう。
関東私鉄の車両の場合(JRもそうですけど)、何処行っても似たような内装の車両が出て来ます。
ただこれは私が関東育ちだからなのか、別に「ヘボい」とは思いません。
一種の機能美すら感じます。
関西私鉄の車両にも京阪3000系のようにハッとさせられる物もある訳ですが、
未だに丸型の吊革に拘ってる辺りとかがどうにも・・・・・・
どう考えても三角形の方が持ち易いですからね。
でも「内外装とも関西私鉄の方が手入れが良い」ってのは認めます!
特にこの阪急電鉄は、古い車両でも新車同然に手入れを行っていて素晴らしいです。
経営的に苦しくて新車が導入出来ない分、旧車でも品質を維持してるって裏事情もあるんですけどね。
でも、何処ぞの某武鉄道のように、錆汁まみれで営業車両が走ってるなんて光景有り得ませんからねww

《某武鉄道の思い出》
・ 春日部駅ですれ違った8000系がホントに錆汁まみれでビックリした
・ 座席を叩くとホコリが煙のように飛散した
・ 車内には何かしらゴミが(これは乗客側のレベルも問題だが)
〈走行機器関係〉
制御装置は東洋電機製のIGBT-VVVF。
ちなみに阪急では、京都線の車両には東洋電機の機器を搭載する事が慣例となっているらしいです。
また0.3km/hまで回生ブレーキが作用する純電気ブレーキシステムも搭載。
台車は、高速走行時の安定性を加味してボルスタ付きの物。
型式はFS565(住友金属製)。
〈運転台〉

阪急電鉄は関西私鉄では珍しくワンハンドルマスコンを積極的に採用します。
これは東急電鉄が発祥の所謂 “T形” というタイプで、機器配置的には何処か京王電鉄っぽい印象を受けますw
〈車両の詳細データ〉
[起動加速度]2.6(地上 ・ 70km/hまで)km/h/s、2.8(地下)km/h/s
[営業最高速度]115km/h
[設計最高速度]130km/h
[減速度]3.7km/h/s(常用最大)、4.2km/h/s(非常)
[編成定員]657(立席)+368(座席)=1,020人
[全長]18,900mm
[全幅]2,800mm
[全高]4,095mm
[編成質量]233.8t(第1編成)、239.2t(第2 ・ 3編成)、約250~252t(第4編成~)
[モーター出力]200kW
[主電動機]三相交流かご式誘導電動機TDK6126-A
[編成出力]200kW×12=2,400kW
[制御装置]IGBT素子使用VVVFインバータ制御RG684-A-M(1C2M、ベクトル制御)
[駆動装置]TD平行カルダン
[台車]モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車FS565(M車)、FS065(T車)
[ブレーキ方式]全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(電力回生優先ブレーキ付き)
[保安装置]AF軌道回路方式ATS(パターン式)、WS-ATC

/ ̄ ̄\
/ _ノ \ <それ以上いけない
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\
. | /( ○) (○)\ <阪急メインの話なのに
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \ 何故か途中にやたらと東武の話が・・・
ヽ |、 ( ヨ |
/ `ー─- 厂 /
| 、 _ __,,/ \
でも阪急と東武は車両の製造メーカー等で縁が深かったりもするんですw
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