群馬大学GA研究会 なんでもにっき

群馬大学サークル「GA研究会」です。会合記録や イベントレポート、個々人の研究、突発企画なども書いていきます。お楽しみに!

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【ガチンコ】東武スペーシア VS. 小田急ロマンスカー【看板特急対決】

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Presented by CHAKE...

度々随所で見かけるこの議論、真似して私もやってみようと思います。









※1 : これは以前やったN700系新幹線VS.TGV-POSの記事と似たようなモンです。
※2 : “小田急ロマンスカー” の中では50000形車両を取り上げます。















今回比較対象とするのはこの2車両。



東武100系 “SPACIA”

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〈使用列車〉
きぬ(浅草~鬼怒川公園)
けごん(浅草~東武日光)
スペーシアきぬがわ(新宿~東武日光 / 鬼怒川温泉)





小田急50000形 “VSE”

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〈使用車両〉
はこね(新宿~箱根湯本)
スーパーはこね(新宿~箱根湯本)










やっぱり両者とも関東民鉄を代表する名特急車として知られています。

関東民鉄には他にも、西武鉄道の “ニューレッドアロー” や、京成電鉄の “スカイライナー” 等の「特急専用車両で運行される」特急が存在しますが、前者はどう考えても今回の2車両と釣り合わない、後者はどちらかと言うと空港への速達輸送をメインとする車両なので趣が異なる、という理由から選考から外しました。















そしてやっぱり双方の基本データ比較から。



編成
東武100系 : 6両
小田急50000形 : 10両 ※連接構造

営業最高速度
東武100系 : 120km/h
小田急50000形 : 110km/h

設計最高速度
東武100系 : 130km/h
小田急50000形 : 130km/h

起動加速度
東武100系 : 2.0km/h/s
小田急50000形 : 2.0km/h/s

減速度
東武100系 : 3.7km/h/s(常用最大)、5.3km/h/s(非常)
小田急50000形 : 4.0km/h/s(常用最大)、4.5km/h/s(非常)

編成定員
東武100系 : 288名
小田急50000形 : 358名

最大寸法(長×幅×高)
東武100系 : 21,600mm(先頭車)/20,200mm(中間車)×2,878mm×4,050mm/4,200mm(パンタグラフ搭載車)
小田急50000形 : 18,200mm(先頭車)/13,800mm(中間車)×2,800mm×3,975mm(先頭車)/3,915mm(パンタグラフ非搭載中間車)/4,100mm(パンタグラフ搭載中間車)

編成質量
東武100系 : 219.5t
小田急50000形 : 260.2t

モーター出力
東武100系 : 150kW
小田急50000形 : 135kW

制御装置
東武100系 : 日立製作所製GTO-VVVFインバータ
小田急50000形 : 東芝製IGBT-VVVFインバータ

ブレーキ方式
東武100系 : 回生ブレーキ・非常発電ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、抑速ブレーキ
小田急50000形 : 回生ブレーキ併用電気指令式電磁直通ブレーキ

保安装置
東武100系 : 東武形ATS装置 ・ ATS-P装置(一部編成のみ)
小田急50000形 : OM-ATS装置 ・ D-ATS-P装置

製造業者
東武100系 : 東急車輌製造 ・ アルナ工機
小田急50000形 : 日本車輌製造







東武100系の編成図

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小田急50000形の編成図

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図内の記号、

・ Mcは制御電動車である事
・ Mは電動車である事
・ 車体上の物はパンタグラフ という事を表します。




この図を見れば判りますが、どちらも全電車編成。 かなりのハイパワーです。

また、東武100系の6号車 ・ モハ100-1形は全個室車両となっていおり、小田急50000形の両先頭車は展望席が設置されています。















東武100系の愛称である “SPACIA(スペーシア)”


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これは、心地良い空間を提供する意味での “SPACE” と、終着が鬼怒川であるため温泉の “SPA” から取った物です。
ちなみに一般からの公募で決まりました。










一方、小田急50000形の愛称 “VSE”


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これは “Vault Super Express” の略。
「Vault」とは「アーチ ・ ドーム型の丸天井」を意味し、内装からこの名が取られました。















ここで、それぞれの車両の受賞歴を見てみましょう。



東武100系

通商産業省グッドデザイン商品(現 : 日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞)

鉄道友の会ブルーリボン賞




小田急50000形

照明普及賞優秀施設賞

グッドデザイン賞

鉄道友の会ブルーリボン賞

アジアデザイン大賞

iF product design award 2007





数の多さで言えば、受賞歴はVSEの圧勝のようです。















次に車両の価格

双方とも会社を代表する豪華特急車両ですが・・・?



東武100系

1編成当たり13億4600万円(1両当たり約2億2433万円




小田急50000形

1両当たり約2億円前後 ※正式な発表は無し





通常の電車は、1両当たり約1億円ほどで製造されています。
それを考えると、スペーシアもVSEも通常車両の2倍以上の金をかけて造られているという事に・・・・・・!

スペーシアの価格はよく「N700系新幹線と同額」という事で知られています。
流石にバブル期製造なだけはありますw




















ではでは、特急車としての「真価」―車内を見てみましょうか!



〈普通車〉


東武100系

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何とも落ち着いた雰囲気の車内。
内装は銀座東武ホテルを手掛けたデザイナー、ロバート ・ マーチャント氏によってデザインされた物。


シートピッチ(座席の前後間隔)は1,100mm

全座席装備のフットレストや、かつては音楽を流せるスピーカーを装備していた大型のヘッドレスト。
これら装備と尋常でないクッション性で、快適さはJRのグリーン車に匹敵します。





小田急50000形

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「Vault」の名に恥じない高い天井。 狭さを感じる事は有り得ません。

シートピッチは1 ・ 10号車の展望席で1,150mm(!)、1 ・ 10号車の一般席で1,010mm、中間車で1,050mmとなっています。


一般席の座席は5°外向きに設置されているという凝った代物。
車窓を楽しめる気の利いた配慮ですが、如何せん座席そのものが・・・・・・ww

ただの板に座らせられているかのような・・・・・・ゲフンゲフン












〈個室〉


東武100系

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6号車は丸々が4人用の個室。 計6室あります。
個室を備えた特急自体はそこまで珍しくありませんが、「1両全てが」というのは日本広しと言えどもこのスペーシアのみ!

バブリー装備はここにも及び、中央のテーブルは何と天然の大理石製
床面全体にはカーペット敷き。 デビュー当時はレースカーテン ・ 厚手のカーテン ・ 電動ブラインドと3種類もの日除け装置を装備していました(現在はプリーツカーテンのみ)。


利用料金は平日3,000円土休日3,600円

JR線内ではこの個室は「グリーン個室」として扱われます。





小田急50000形

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スペーシアが完全な個室だったのに対し、VSEは「半個室」とでも言うべき物。
「サルーン」と銘打たれたセミコンパートメントで、計3区画分ありあます。

座席がほぼ直角という凄まじい仕様ではありますが、
スペーシアほど堅くなる必要は無く、数人でワイワイするのには良さそうです。

各区画の天井には天窓を装備。


「サルーン」の利用には「サルーン料金(個室料金)」+「乗車券」の購入を要します。
4人で乗れば運賃+サルーン料金で一般席と同じ料金に、つまり個々の特急料金が不要になります。










全体的な豪華さで言ったらスペーシアに軍配
ただバブル期まっただ中のスペーシアと、平成不況まっただ中のVSEを比べるのは可哀相かもしれませんが・・・w


自分で乗っても思いましたが、スペーシアの座席は相当な逸品です。

若干気になったのは、経年から来る「軋み」ぐらいでしょうか。
今年から始まるリニューアルでの改善を願います。




















続いては走行音



東武100系日立製GTO-VVVF







小田急50000形東芝製IGBT-VVVF










東武100系は日本で初めて有料特急車両としてVVVFインバータを搭載した車両です。

従って、搭載する装置も技術黎明期の頃の物。
現在のそれと比べるとやや仰々しい磁励音が特徴ですが、スペーシアは床を分厚くする事で騒音をカットしています。




対する小田急50000形は既に技術として安定期に入っているIGBT素子使用のVVVF装置。

ただでさえ騒音は少なめですが、VSEの場合更に装置そのものを全密閉式とする事でかなりの低騒音化を図っています。

発車時に鳴っているのは、補助警報装置のミュージックホーンです。
これも、 “小田急ロマンスカー” の伝統の一つ。

























総評


技術面での過剰なまでのオーバースペックを鑑み、

東武100系勝利とする ! !





まぁこの先何を言っても予定調和のように見えますけど、理屈を少々w


そもそもスペーシアがVVVFインバータを採用したのは、

日光線での山岳区間に対応する
多数の曲線区間での中~高速域での加速性能を確保する
130km/h(当初)での運転に備える
定速運転機能を設ける


といった目的があっての事。





特に1 ・ 2個目の目的を達成するに当たり、編成出力3,600kWというとんでもないパワーを持つに至った訳です。



ちなみにこの出力、質量当たりに直すと「16.4kW/t」という値になります。

日本で初めて270km/h走行を達成した、300系新幹線の出力を同じ値に直すと「16.9kW/t」。



つまり、単純に言ってスペーシアは、新幹線とほぼ同レベルの出力を持ってる車両って事です。






実際問題としてこの車両を運転したJRの運転士曰く、

スペーシアは遅れの回復が楽」 との事。



定加速領域も100km/h近くまで残しており、この値はJRの “はくたか”京成電鉄の “スカイライナー” といった160km/hでの走行を行う車両とほぼ同じ。

理論上では均衡速度(車両の限界速度)は200km/hを超えるとか・・・



ここまで来るともうホントに東武の正気を疑いますねwww
































         ____
       /      \
      / ─    ─ \   小田急のメンツを保つために言うと、
    /   (●)  (●)  \ 小田急の特急は一定以上のクオリティをどれも持っており
     |      (__人__)     | 「大ハズレ」という事はありません。
      \    ` ⌒´   ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |







         ____
       /      \
      / ─    ─ \   逆に東武の特急は、
    /   (●)  (●)  \ 車両によってはもの凄い損をした気分になる物があります。
     |      (__人__)     |
      \    ` ⌒´   ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |







         ____
       /      \
      / ─    ─ \   従って、
    /   (●)  (●)  \ 何処の会社も善し悪しがあって面白いね、
     |      (__人__)     | 『みんな違ってみんな良い』って事ですね。
      \    ` ⌒´   ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |

















   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \  それで上手く締めたつもりかよ・・・
 |  (●)(●) |
. | u (__人__)  |
  |   ` ⌒´  ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /    く. \          \
   |     \  \         \
    |    |ヽ、二⌒)、         \
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COMMENT

( ´_ゝ`)Nice.

マジック民としては"vault"という言葉に過剰反応する(vaultという名前のカードが非常に多いため)

| ざいたく | 2011/10/25 16:35 | URL | ≫ EDIT















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