群馬大学GA研究会 なんでもにっき

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【日本】高速鉄道の二大巨頭比較【フランス】

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Presented by CHAKE...

鉄道先進国』 同士の代表車両、その勇姿を見届けよ!










※今回は純粋に「比較」するだけです。
  どっちが速いとか優れてるとか言う議論はノーセンスなのでやりません。















今回比較するのはこの2車両。



TGV-POS(仏)

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N700系新幹線電車(日)

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両者とも、世界を代表する高速鉄道として知られています。

また選定に当たっては、両者とも既に上に挙げた車両より新しいものが登場していますが、登場時期がほぼ同じという事もあってこの2車両としました。




















まずは双方のデータをば。



編成
TGV-POS : 10両(動力車2両+客車8両)
N700系 : 16両 ※東海道 ・ 山陽新幹線用編成

最高速度(営業運転)〉
TGV-POS : 320km/h
N700系 : 300km/h

編成定員
TGV-POS : 361名(一等車111名 ・ 二等車250名)
N700系 : 1,323名(グリーン車200名 ・ 普通車1,123名)

軌間
TGV-POS : 1,435mm
N700系 : 1,435mm

電気方式
TGV-POS : 交流25,000V 50Hz ・ 交流15,000V 16 2/3Hz ・ 直流1,500V
N700系 : 交流25,000V 60Hz

編成出力
TGV-POS : 9,280kW(交流25,000V区間)
N700系 : 17,080kW

制御装置
TGV-POS : VVVFインバータ制御(IGBT素子)
N700系 : VVVFインバータ制御(IGBT素子)

駆動装置
TGV-POS : トリポード可撓継手
N700系 : WN駆動+TD平行カルダン

ブレーキ方式
TGV-POS : 電磁自動空気ブレーキ ・ 発電ブレーキ ・ 回生ブレーキ ・ 電磁吸着ブレーキ
N700系 : 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ

保安装置
TGV-POS : ETCS Level2
N700系 : ATC-1 ・ ATC-NS

製造業者
TGV-POS : アルストム
N700系 : 日立製作所 ・ 日本車輌製造 ・ 川崎重工業 ・ 近畿車輛












そもそも新幹線とTGVでは根本的に車両の方式が違ったりします




まずはTGV-POSの編成図。

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図においては、

赤い車両はモーターを積んだ動力車
のマークはパンタグラフ(集電装置)
縦線の入った車両は人が乗れない  という事を表します。








これを見ると判る通り、TGVの列車のスタイルは往年の 『機関車-客車』 というもの。

このような列車の組成方式の事を、「動力集中方式」と言います。
つまり、このようなヨーロッパに見られる列車の多くは日本で言う「電車」ではないのです。



電車方式については後述しますが、この動力集中方式はパワーのある動力車(機関車)が客車を引っ張る(押す)という点において、それこそ蒸気機関車などと全く変わりません。


この方式のメリットとしては、

・ 車両増備のコストが廉価
・ 客車 / 貨車1両当たりの有効積載量に優れる
・ 車両のメンテナンスに労力を要しない
・ 客室での騒音や振動が少ない
・ 客車に走行機器が無いため、柔軟な増結 / 減車が可能
・ 機関車の交換により、異なる電化方式の区間や非電化区間への乗り入れも容易
・ 正面衝突時でも乗客への被害を軽減出来る



これらのメリット、特に6番目の赤い文字の点において、異なる国へと向かう国際列車の運行も多いヨーロッパでは重宝されています。















続いてN700系の編成図。

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編成内が真っ赤になりました。

このように、動力が複数の車両に渡って搭載される方式を「動力分散方式」と言います。
この方式は日本の「電車」や気動車で用いられています。


海外にもこの方式を用いた列車が走っていない訳ではありませんが、やはり一番のメッカは日本だと言えます。




この方式のメリットとしては、

起動加速度が高く設定出来る
上り勾配でも高加速を維持出来る
・ 車両にかかる引張力が小さいため、車両の台枠の強度を下げ軽量化可能
軌道に与える負荷が減少する
・ カーブやポイントにおける制限速度をより高く設定出来る
・ 保線周期を伸ばす事が出来る
・ 単位輸送量当たりの保線費用が減少する
・ 回生ブレーキを有効に用いる事が出来るため、省エネルギーである
・ 減速度(ブレーキ性能)が高く、最高速度を高く設定出来る
・ 終着駅やスイッチバックで折り返す際、機関車の交換が不必要で所要時間が少なく済む
・ 編成内の一部の動力車が故障した場合でも運行を続ける事が可能



特に赤文字にした1 ・ 2 ・ 4番目の点から、駅間距離が短く地形が複雑で地盤も悪い日本で普及する事になった訳です。


日本では新幹線を始め、通勤電車から特急車両まで広く用いられる方式ですが、
どうやらTGV側も、次世代の車両(「AGV」と呼ばれる)からはこの動力分散方式を用いるようです。















さてさて、小難しい話はここまでにして、

ここからは目で見て判る比較材料を掲示しましょう。





一つ目はズバリ 車内


これには国民性の違い何かが見て取れて面白いです。










まずはTGVの車内。
※どうしてもPOSのものが見つからなかったので、Réseauという別の車両のもので代替!



【一等車】

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【二等車】

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何とまぁ・・・お洒落な車内じゃありませんかw

この車内デザインは'08年から始まったリニューアル工事において、クリスチャン ・ ラクロワという人物のデザインに基づくもの。



一等車の車内は2列+1列の席配置。
二等車は2列+2列





ちなみにTGVには、
日本では見かけなくなって久しい軽食などが取れる「ビュッフェ」があります。

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続いてはN700系の車内。



【グリーン車】

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【普通車】

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TGVと比べると如何にも “日本らしい” 車内彩色。
良くも悪くも実直さが漂って来ますね。

ちなみに新幹線でも開業当初は「一等車」、「二等車」の区別でした。



グリーン車の席配置は2列+2列
普通車は3列+2列












何だかこう書くと、TGVの車内環境の方が優れてるように見えますね・・・


これはメディアの功罪もあるんですが、ヨーロッパの旅番組辺りで取り扱われるTGVのイメージとしては、「洒落た外国人の4人組が洒落た車内で洒落た席に向かい合って座り、ワイン片手にポーカーに興じている」みたいな場合が多々です。

※これはいくら何でもステレオタイプ過ぎ?ww





公平を期すために言うと、


日本の感覚でTGVに乗るとガッカリする


というのが事実でしょう。










良くあるパターン


・ 「車内狭いなオイ!

パッと見、横に並んだ席数自体がTGVの方が少ない訳ですから、TGVの方が新幹線より広いという誤解を持ち易いですが、それは車幅が同じだったらの話。

N700系の全幅が3,360mmに対し、TGV-POSは2,904mm
単純に言ってTGV-POSの方がN700系より座席1個分狭い訳です。

ってかこの全幅、実は日本の平均的な在来線用特急より狭いです。






・ 「座席回転しねぇwwwww酔ってきたwwwwww

TGVの座席の大半は固定式です。
中央に向かって座席が向かい合う「集団見合式」の配置。 つまり車内の半分の乗客は常に進行方向と反対を向いている事になります。

シートピッチ(シート同士の間隔)も狭いです。 実際に乗車した人に言わせれば、「日本の国内線旅客機のエコノミー以下」との事・・・






・ 「照明暗いわぁ・・・ 漫画読めへんわぁ・・・

TGVの車内は基本的に間接照明です。
それも日本で言う「間接」を大きく上回る間接度合です。

ただフランスにおいては公共空間はこの傾向が強いようなので、これはそれこそ国民性の違いというものなのでしょうかね・・・
日本では先日の震災による電力不足で車内灯を削減するぐらいですからね・・・・・・






・ 「アナウンス無いから目的の駅乗り過ごしちゃった☆

これはTGVに限った話では無くて、ヨーロッパの列車殆ど全てに言えます。

そして車内だけでもありません。 駅でも大したアナウンスはありません
発車時刻に迫ろうが何だろうが、日本のように発車ベルやメロディなど流れません。


全て、自己責任です(キリッ










この辺にしときましょうw

これ以上言うと、今度はTGV側に不利になるww




















二つ目、それは 運転台!




まずはTGV-POSの運転台を。

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続いてN700系の運転台。

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見た感じ、TGV-POSの方はアナログ機器全盛、N700系はデジタル世代バリバリ。


と言ってもTGVの方も結構デジタル化は行われてます。
そして運転方法がイマイチ判らない・・・・・・ww

多分左側のレバーが日本のマスコンで、右側のレバーがブレーキ・・・・・・なのかなぁ?
左右逆かもしれないですけどw





対してN700系の運転台は、日本の基本に忠実な2ハンドル式
日本人の僕には有り難いですw


しかし在来線とは異なり、右側にマスコン、左側にブレーキという配置

これは運転士に「在来線の車両とは違うぞ」という事を強く意識させるための配置だそうです。
初代の0系以来、全ての新幹線がこの配置を踏襲しています。






























んでんで、今日はこの辺で。



何か結局新幹線側に肩入れしてるように見えるかもしれませんが、
そこは僕も日本人ですから!

大目に見て!ww










このような比較の話としては、


このサイト(↓)に、外国人達の語り合いが載っています。

http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-54.html



日本の新幹線
フランスのTGV
ドイツのICE

の3車種の内どれが好きか、色々な国の人々が語ってます。



結構「おぉっ!?」と言うような意見も載ってて、面白いですよw
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COMMENT

なるほどー、中身の違いは国際列車だというのが大きな要因なのか

しっかし、外側のハコを作るのは得意な日本なのに、
なぜ内側のハコはいつも上手く作れてないように見えるんだろうwww

| ざいたく | 2011/09/27 10:43 | URL | ≫ EDIT

>>ざいたくさん
国際列車であるが故の装備なんかも結構あったりして・・・

そもそも「フランスの新幹線」とか呼ぶ事自体が失礼極まりないw



技術力はあっても、内装面でのセンスはやっぱり敵わないんですかねぇ・・・ww

| CHAKE | 2011/09/27 18:30 | URL | ≫ EDIT

つまり箱○とPS3を比較するのはノーセンス

| 飛びイカ | 2011/09/27 18:44 | URL |

>>飛びイカさん
ゲ ハ 民 の 争 い は 不 毛 の 極 み

| CHAKE | 2011/09/27 22:01 | URL | ≫ EDIT

車内が暗いのは国民性じゃなくて人種の違いではないでしょうか?
ヨーロッパ人は「青目」が多いです。「黒目」の人たちより暗い所が見えるので、それほど明るさが必要とされてないと思うのですが。

| 名無しのGA研究会 | 2014/05/07 14:13 | URL |















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